X(Twitter)でビジネス活用をしていると、
「この投稿はあとでじっくり見たい」
「過去の投稿を記録として残しておきたい」
と思う場面が多々あります。ですが、Xには明確な「保存」ボタンがないため、どうすれば保存できるのか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、X(Twitter)の投稿を保存する方法を中心に、保存時の注意点や活用のヒントをやさしく解説します。
X(Twitter)で投稿を保存する理由とビジネス上のメリット
まずは、なぜ「投稿を保存する」という行為がビジネス活用において重要なのか、その背景や実際のメリットを確認しておきましょう。
なぜ「投稿保存」が必要なのか?
X(Twitter)では、日々大量の投稿がリアルタイムで流れてきます。その中には、自社にとって重要な情報や今後のマーケティング戦略に活かせるヒントが多く含まれています。
しかし、タイムラインは常に更新されるため、気になった投稿もすぐに流れてしまい、あとで見つけようとしても時間がかかってしまうことがよくあります。
特にビジネス活用をしているアカウントにとっては、トレンドや業界の動きをタイムリーに把握することが重要です。そのためには「見た時に残しておく」工夫が欠かせません。
投稿を保存しておくことで、チーム内での情報共有もスムーズになり、後日必要な場面で即座に引き出せるようになります。こうした運用効率の改善にもつながることから、「投稿保存」は単なるメモ以上の価値があると言えるでしょう。
保存しておくことで得られる3つのビジネス効果
X(Twitter)投稿を保存しておくことは、単なる「あとで読む」の延長ではなく、ビジネス上の大きなアドバンテージになります。ここでは代表的な3つの効果をご紹介します。
- 競合の動向を効率的に追える
競合企業の反響を得ている投稿を保存しておくことで、どのようなトーンやテーマが受け入れられているのか分析できます。これにより、自社の投稿戦略の見直しや差別化にもつながります。 - 成功事例を自社に応用できる
「この投稿の構成がうまい」「このハッシュタグの選び方が秀逸」と感じた内容を記録しておけば、自社の投稿にも応用できます。いわば“ネタ帳”のような役割として、投稿アイデアを貯めておくことができます。 - 社内共有がスムーズになる
保存した投稿をマーケティング会議や企画のブレスト時に持ち出すことで、議論が深まりやすくなります。投稿保存が“具体的な事例ベースの会話”を可能にするため、意思決定の質も高まります。
このように、保存というシンプルな行為が、戦略の再構築や新たなアイデア創出のきっかけとなるのです。
意外と知られていない「自社投稿」の保存ニーズ
投稿保存というと、つい「他人の投稿を保存すること」だけをイメージしがちですが、実は自社の投稿を保存することも非常に大切です。
たとえばキャンペーン投稿やバズったツイートなどは、後から振り返ってレポートを作成したり、同じフォーマットで施策を再展開するための資料として使えるため、保存しておく意義が大きいのです。特にX(Twitter)では投稿の編集に制限があるため、過去にどのような表現を使っていたか、どんな画像を添付していたかを確認するには、保存しておくことが最も確実です。
さらに、担当者の異動や運用の外注時にも、投稿の記録があれば引き継ぎがスムーズになります。記録として保存するのは「リスク管理」の面でも有効で、万が一投稿が削除されたり、炎上の火種になった際にも迅速に対応するための材料になります。こうした“自社の資産”を守る意味でも、投稿保存は見落とせない業務の一部です。
X(Twitter)で投稿を保存する具体的な方法
ここでは、X(Twitter)の標準機能や日常的に使えるツールを活用して、投稿を保存する具体的な方法をわかりやすく解説していきます。目的やスタイルに応じて、いくつかの方法を組み合わせて使うのもおすすめです。
1.ブックマーク機能を使って保存する
X(Twitter)には公式機能として「ブックマーク」が用意されています。
気になる投稿の右下にある「ブックマークアイコン(リボンマーク)」をタップするだけで、その投稿を自分だけの保存リストに加えることができます。この機能は他のユーザーには見えず、自分専用の非公開リストとして使えるのが魅力です。
ビジネス利用の面では、競合の優れた投稿、ユーザーの反応が良いポスト、自社アカウントで参考にしたい事例などをブックマークにまとめておくことで、いざというときにすぐ確認できるストックとして活用できます。また、ブックマークした投稿はアカウント内の「ブックマーク」タブから一括管理できるため、日々の業務の中でもスムーズに参照できるのがポイントです。
ただし、投稿が削除されるとブックマークも閲覧不可になるため、永久保存には向きません。必要に応じて別の保存手段と併用するのが安心です。
2.自分宛にDMで送る方法
投稿を一時的に保存しておきたい場合、自分自身にダイレクトメッセージ(DM)として送るという方法もあります。DMは通常、他ユーザーとのやり取りに使われますが、1人グループを作ることで「自分専用のメモ空間」としても活用できます。
やり方は簡単で、投稿の共有アイコンをタップし、「メッセージで共有」→「自分のアカウントを選択」で送信するだけ。これで、DMタブ内に送信された投稿リンクが記録され、あとからいつでも見返すことができます。
この方法の利点は、PCでもスマホでも確認しやすく、DMスレッドを整理して保存ジャンル別に使い分けることができる点です。たとえば「キャンペーン用」「競合調査用」などの自分用グループを作っておけば、保存した投稿をカテゴリーごとに管理できます。通知が気になる場合はミュート設定もできるため、運用の負担も抑えられます。
3.URLをメモアプリやNotionなどに記録する
X(Twitter)投稿のURLをコピーし、外部のメモアプリや情報整理ツールに貼り付けて保存するという手法も効果的です。特に、NotionやEvernote、Googleドキュメントなどを使えば、コメントや分類タグを追加して整理できるため、情報の蓄積と活用がしやすくなります。
この方法の最大のメリットは、投稿に対して自分なりのメモや解釈を加えられる点にあります。「なぜこの投稿を保存したのか」「どのような活用ができそうか」といった情報も一緒に記録しておくことで、後から見返す際に判断がしやすくなります。
また、複数人でメモを共有すれば、社内メンバーとのナレッジ共有にも役立ちます。Notionなどのクラウド型ツールを使えば、更新履歴やアクセスログも確認できるため、チームでの投稿ストック管理に最適です。
4.スクリーンショットで保存する(画像として残す)
最も手軽な保存方法のひとつが「スクリーンショット」です。画面上に表示されている投稿をそのまま画像として保存できるため、文章だけでなく投稿に添付された画像や動画、表示レイアウトを含めて残すことができます。
スクショのメリットは、投稿が削除されても手元に記録が残る点にあります。特にバズ投稿や、短期間で拡散された内容などは、記録をとっておかないと後から追えなくなってしまうこともあります。また、画像として残しておけば、プレゼン資料や社内レポートへの引用もしやすく、視覚的な共有にも向いています。
注意点としては、スクリーンショットには個人情報や他人のアカウント名が含まれることもあるため、社外に出す際には加工やトリミングを行うなどの配慮が必要です。
5.保存用のX(Twitter)別アカウントを使う応用テク
実は、X(Twitter)には保存専用のサブアカウントを用意しておくことで、ブックマーク以上に柔軟な管理が可能になります。たとえば「保存用アカウントA」で「保存したい投稿をリポストする」「非公開リストに追加する」といった方法で、運用とは切り離して記録を管理できます。
この方法の利点は、ブックマークよりも分類管理がしやすく、削除の影響を受けにくい点にあります。非公開リストをジャンルごとに作れば、「アイデア集」「競合投稿」「ユーザーの声」など、目的別にまとめることも可能です。保存内容はアカウント内に残り、他人には公開されません。
また、保存用アカウントを社内メンバーと共有すれば、チーム全体で「気になる投稿のストック場所」として活用できます。ただし、運用ポリシーや権限管理を明確にしておくことが重要です。誤って投稿したり、意図せず公開してしまうリスクを避けるためのルール設計が求められます。
保存に関する注意点と知っておきたいルール
投稿を保存するだけなら個人の自由と思いがちですが、実はその行為にも著作権やガイドラインに関する注意点があります。企業やビジネス目的でX(Twitter)を活用する以上、正しい知識を持って安全に保存・管理することが大切です。
他人の投稿を保存する際に注意したい著作権と利用規約
X(Twitter)上に公開された投稿であっても、その著作権は投稿者にあります。他人の投稿をスクリーンショットで保存したり、社内資料などに転用したりする際には、著作権や利用規約に触れないよう配慮が必要です。たとえば、無断で社外プレゼン資料に使ったり、企業の公式SNSで紹介したりすると、投稿者とのトラブルにつながる可能性があります。
X(Twitter)の利用規約でも、「投稿は著作権保有者の許諾なしに再利用できない」旨が明記されており、これを無視した利用は規約違反になる恐れがあります(参考:Xの利用規約)。また、商用利用や広告への転用など、二次利用の場面では特に慎重な判断が求められます。
保存そのものが違法というわけではありませんが、「社内で参考資料として保存する」と「SNSに再投稿する」では意味がまったく異なります。特に企業アカウントを運用する担当者は、こうした権利関係にも注意を払いつつ、保存を行うようにしましょう。
社内利用での保存時に配慮したいプライバシーと共有範囲
X(Twitter)の投稿は基本的に公開情報ですが、だからといって無制限に社内に共有してよいわけではありません。特に、顧客の投稿やセンシティブな内容を含むものは、誰がどの範囲で見られるかに注意を払う必要があります。
たとえば、「顧客の要望」として取り上げた投稿を社内の全社員に共有した結果、投稿者のアカウントが特定されてしまい、トラブルになるケースも報告されています。共有の際は、内容に応じて閲覧権限を限定する、関係者のみに配布する、情報の加工・匿名化を行うなどの配慮が必要です。
また、保存した投稿をクラウド上に置く場合にも、アクセス制限の設定を行い、誰が見られるかをコントロールすることが求められます。社内での情報共有は便利ですが、「外に漏れたら困る情報」を取り扱っているという意識を忘れずに、責任ある管理を徹底することが、信頼される企業運営につながります。
まとめ
X(Twitter)の投稿保存は、単なる「あとで読みたい」ではなく、ビジネスにとっての“情報資産の蓄積”とも言える行為です。競合の動き、自社の成功投稿、ユーザーの反応、業界トレンドなど、日々の投稿の中には、次のアクションを生むヒントが散りばめられています。こうした情報を見逃さず、必要なときに取り出せるように保存しておくことは、戦略的なSNS運用に欠かせません。
また、ブックマーク、DM送信、スクリーンショット、URL保存、サブアカウントの活用など、目的に応じて保存方法を使い分けることで、より柔軟に情報を管理できます。加えて、著作権やプライバシーといった法的・倫理的な配慮も忘れずに運用すれば、企業としての信頼性も高まります。
「投稿保存」は裏方の作業に見えますが、それを丁寧に積み重ねていくことで、ブランディングや発信精度の向上、社内ナレッジの蓄積など、長期的に大きな効果を生み出します。X(Twitter)を“発信する場”としてだけでなく、“学ぶ場”として捉える視点が、今後の運用の質を高める一歩になるはずです。